竜神族の里で明かされた、エイトの出生の秘密。

いつかは両親に会えると信じていたエイトの希望は、儚く、散った。

記憶封じは一種の呪い。 それによって呪いを弾く身体となったようだ。

祖父の話を沈黙の中で聞いていたエイトの心情は、俺達では計り知れない。







その夜、エイトとオレは誰にも知られないよう里を抜け出した。

行く先はエイトの両親が眠る場所。

紙芝居でしか会うことが叶わなかった、エイトの両親。

祈りを捧げていたエイトが、ぽつりと言った。


『僕は、竜神族にとって望まれない子だったんだね。』


突然のことに何も返せなかった。 オレに気にせず、エイトは独り言のように続けた。


『父さんは母さんに逢いたい一心で里に向かって命を落とした。 母さんは父さんを失った哀しみの中で僕を産んで命を落とした。 人間と竜神族の間に出来た僕は忌み子として捨てられた。』

『陛下と姫様に拾われて、ヤンガスやゼシカ、ククールと出会えた。 そして、君と愛し合うようになった。』


オレを見上げるエイトは酷く哀しげで。


『母さんの…竜神族の血を否定することは出来ない。 だけど。』

『人として、ククールと一緒に歩んで行きたい。 それが、僕に赦されるのなら。』


竜の寿命は長い。 人とは比べることが出来ないくらいに。

例え半分でも、竜の血が流れているエイトはオレよりも永い時を生きるのだろう。









声も無く静かに涙するエイトを、ただ、抱き締めていた。








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言い訳。
物凄く暗い話です、ね………(滝汗
こんな話やら絵やら描いといて何なんですが、クク主はハッピーエンド推奨です。

絵は鉛筆描きにザッと色を付けただけのシロモノだったり。
色塗りペン入れ苦手(ぇ