31.最高の殺し文句 「お疲れ様でした、十代目。」 「お疲れ様、隼人。 思ったよりも早く終わったね。」 十代目と共に執務室に向かいながら、そう言葉を交わす。 オレ達は敵対ファミリーと決着をつけてきたばかり。 だというのに、十代目は疲れた様子もなく悠々と歩いていく。 中学生時代は筋肉痛に悩まされていた十代目も、今では戦闘中に息を切らす事は無い。 「いつ見ても十代目の手並みは見事ですよ。 オレなんて最後の方は息切れしちまいました。 トシっすかね?」 「えー、君がトシだなんて言ったらオレもトシじゃん。 勘弁してよ〜。」 あはは、と声を立てて十代目が笑った。 この姿から、数時間前に人を葬ってきたと誰が想像できるだろう。 「でもね、隼人。 オレだって息を乱す事はあるんだよ?」 上目遣いにオレを見上げる十代目は、悪戯を企む子供のように瞳をキラキラさせている。 「抗争中は全くそんな様子無いですけど……。」 「……わかんない?」 「……降参です。」 「やだなぁ、そんな夢中なの? っても、オレだってそうなんだけどね。」 「?」 いつの間にか辿り着いていた執務室のドアを開け、十代目を通してから自分も入室し、ドアを閉める。 遅い時間なので、余程の緊急じゃない限り誰かが訪れる事も無い。 それが解っているので、十代目は遠慮無くオレの首に腕を回し「じゃあ教えてあげる」と耳元で囁き。 さらに小さな声で、囁いた。 オレが呼吸を乱すのは、隼人に抱かれてる時だよ。 「………ッ!!?」 やっと十代目が言わんとしていることが理解できて、一気に顔が熱を帯びる。 ああ、もう。 貴方の言葉だけで、オレは。 「…オレを殺す気ですか貴方は…。」 「殺し文句ってヤツ? かっこいー!」 してやったりの表情から、すぐ甘えるようにキスを強請る十代目を横抱きにして奥の寝室へ歩く。 十代目を組み敷いて額にキスを贈り。 「では、今度はオレが貴方を殺す番ですね。」 そこから先は、誰も邪魔することのない 二人だけの 時間。 |
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は、初めての十年後獄ツナでした…。 ツナは獄寺のこと名前で呼んでると良い。 山本もリボーンも雲雀も呆れるくらい甘っっっ々な獄ツナであれば良い。 ツナは強くなってるんじゃないかな〜。 身体も、精神も。 |