今年は絶対、一番最初に言いたかったんだ。




午前0時ちょうど。 程良く暖かくなったベッドを抜け出して、事前に持ってきていた電話の子機を取り出す。

カーテンの隙間から月明かり。 薄闇の中に浮かぶプッシュボタンの光。

もうすっかり覚えてしまった電話番号を、ゆっくり、間違えないように押していく。

眠っているだろうか。 だけどきっと彼のこと。 画面を見て、この電話番号だったら飛び起きるに違いない。











何回かコールして。












『すっ、すいません十代目!! シャワー浴びてて気付かなくて……!!』












慌てた彼の声。 そんなに焦らなくても良かったのに、と苦笑する。






「こっちこそゴメンね、こんな時間に。」

『いえ、そんな! …でも、どうしました?』

「うん、あのね……」














去年は知らなくて、御祝い出来なかったけれど。




























「誕生日おめでとう、獄寺君。」


































電話の向こうで、息をのむ音。





























『……ありがとうございます、十代目……オレ、貴方に祝って貰えて、凄く嬉しいっス……!』
















自然と、自分も笑顔になって。






少し話をしてから「じゃあ、学校で。 おやすみ。」と電話を切る。
















学校でプレゼントを渡した時、彼がどんな顔をしてくれるのかを楽しみに、眠りについた。






































ひいぃ、何とか間に合いました獄寺誕生日!
突発的に浮かび上がったSSを付けてみました。

……実はコレが初めての獄&ツナ絵だったりするのです。
兎にも角にも誕生日おめでとう、獄寺君。