大好きな人と過ごしたいなら 狸寝入りを致しましょう。 「あ、ヨイチさん? すいません今夜のことなんですけど・・・」 執行後を理由に、ひたすら寝たフリをしている自分。 そんなこととはカケラも知らず、愛用の携帯を手に、小声で申し訳なさそうに予定の変更を伝えるロージー。 この日のためにコソコソ準備をしていたのは知っていたから、少しばかり良心が痛むが今日くらいは許されるだろう。 何せ、今日はオレの誕生日なのだから。 「はぁ・・・今日には起きると思ったのになぁ。 こんなときに限って予想が外れるなんて。」 ぱちり、と軽い音を立てて携帯が閉じられる。 続いて「あとは誰だっけ・・・」と呟くロージーの声。 ヤツはオレの誕生日に知りうる限りの友人を招いてパーティーを開こうとしていたのだ。 その気持ちは、嬉しい。 ・・・が、オレの望みはそんなことじゃない。 「・・・あ、ナナちゃんに知らせてない!」 せわしなく携帯を操作する様が布団越しに伝わる。 多分、ナナで最後だろう。 用件を伝え終わったらしく、先程と同じように携帯を閉じる音が静かな事務所に響いた。 「折角ビコさんのところでオーブン借りてケーキも作ったのに。 何で起きないのさ・・・。」 オレ専用のベッドの傍らに立ち、溜息と共に文句を零す。 泣き虫なアイツの事だ、きっとその目には涙が浮かんでいるに違いない。 それでも。 「オメェと2人で過ごしたいからに決まってンだろうが、アホめ。」 「ムヒョ!?」 ベッドの温もりを捨てて起きあがると予想通り涙を浮かべたロージーの姿。 俯いた拍子に頬を伝った雫を己の唇で吸い取ってから、タイを引き寄せ唇を重ねた。 ケーキよりも甘いそれは 最高級の贈り物。 |
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めっちゃ短くてスイマセン的なSSです・・・。 ていうか、それじゃムヒョさんどっちがプレゼントだかわかりませんが(笑 ロージーは皆で賑やかに御祝いしたい。 だけどムヒョは2人きりがいい。 ちょっぴりすれ違う夫婦なのでした。 |
2007/01/23