目を開けると、真っ白な天井が視界に入る。
消毒薬の鼻につくニオイに顔をしかめた。
そうだ。 オレは抗争中油断して・・・。
てことは此処はボンゴレの医務室か。
どのくらい意識が無かったんだろう。
上半身を起こすと、肩に鋭い痛みが走る。
撃たれた時に血を流しすぎたらしい。 頭がクラクラする。 
ふと、人の気配を感じて扉に視線を投げる。
カタン、と遠慮がちな音を発して白い扉が開くと。


「は・・・やと・・・?」


怪我人のオレなんかよりも、もっと真っ青な顔をした十代目がいた。


「はやと、隼人・・・ッ! 良かった、目、覚めた・・・!」
「御心配、おかけしました・・・十代目・・・。」
「全くだよ! 五日も目が覚めなくて、オレ、どうしようかと・・・ッ!!」

オレの首に腕を回して縋り付く十代目から、ボスの威厳は欠片も見つからない。
瞳からは止めどなく透明な雫が溢れて、流れて。
落ちた雫はオレの背を伝って白い包帯を濡らしていく。

暫くしても泣きやまない十代目を一度身体から離して再び抱き締める。
十代目の耳が、オレの胸に当たるように。


「・・・ね、十代目。 聞こえますか・・・?」

「ん・・・聞こえる・・・。」


鼻に掛かった声で十代目が呟く。
規則正しく動く心臓の音。
貴方を前にすると早くなるけれど。
この音は、確かに自分が生きている証だから。



「生きてくれて有り難う、隼人・・・。」



この鼓動、貴方に届け。









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自作お題より『この鼓動、貴方へ届け』で獄ツナ。
イタリア行った直後くらいの設定で。 まだまだ未熟な獄寺隼人(爆
元気になったらツナを慰めてあげるといいよ(にっこりv

2007/05/19